健康な人も病院に殺到、待ち時間の大幅延長は避けられない?
日本総合健診医学会が行った試算によると、特定健診によって、40〜74歳の男性94%、女性83%が「異常」と判定される見通しとなっています。その数、5035万人。そのうち通院を促されるのが約3000万人です。
この数字から容易に想像できるのが、現在ですら混んでいる病院の更なる混雑化です。そもそもメタボリックシンドロームの基準自体(特に腹囲)に疑問の声も多く、健康な人までが患者として病院にやってきます。当然、待ち時間は今以上に延びるのは避けられないでしょう。
厚生労働省は特定健診の効果で、糖尿病などの患者が将来的に減少し、医療費が削減できると主張していますが、逆に患者数の上昇で医療費が膨張すると考える専門家も少なくありません。
また、健診の目的が病気の予防であるのはわかりますが、それがどのレベルの予防なのか不明とも指摘されています。つまり、危険因子を除き、健康を増進させる一次予防なのか、早期発見・早期治療の二次予防なのか、合併症発症を減らす3次予防なのかが明確になっていないということです。
医療費抑制が目的なら、最も医療費が掛かる合併症発症をターゲットにするべきです。しかし、特定健診は1次か、2次予防です。健診に掛かる費用を考えると、医療費抑制へのインパクトはほとんどないという意見も根強くあります。
国は、メタボリックシンドロームの社員が減らない企業などには医療分担金を上乗せすることを検討しています。「健康管理は自己責任」などという時代は過ぎ去り、企業はメタボ対策メニューを揃えた社員食堂、褒賞を設けての減量レース、社員ウォーキングなど、あの手この手の新しい対策を打ち始めています。
しかし、結果を出せない企業にペナルティが課せられるとなると、行き過ぎた管理によるメタボ狩りや差別が起こらないとも限りません。定年間近のオジサンたちは要注意かも?